子宮頸癌モデルマウスであるK314-HPV16トランスジェニックマウスの腫瘍浸潤先端部および腫瘍中心部、正常部組織をレーザーマイクロダイセクション法により採取し、RNAを抽出後マイクロアレイ解析を行い各組織間での遺伝子発現プロファイルを網羅的に解析した結果、浸潤先端部においてインターフェロン応答遺伝子の発現亢進が認められることを見いだした。マイクロアレイの結果をリアルタイムPCRを用いて再検討し、アレイ結果の再現性について確認した。 さらに、いくつかのヒト扁平上皮癌細胞株を用いポドプラニンがインターフェロンγにより発現誘導される事を見いだした。 ポドラニンを内在性に発現するA431細胞株をヌードマウスの皮下へ移植すると浸潤先端部を形成する腫瘍を形成する。そこで、ポドプラニンを発現抑制したA431細胞株をヌードマウスに移植し、形成した腫瘍を観察した結果、コントロール群と比較し、ポドプラニン発現抑制株では腫瘍浸潤先端部の形成が抑制された。この結果からポドプラニンの発現が浸潤先端部の形成に必要である事が確認できた。現在、今年度の研究により同定したポドプラニンの上流経路であるインターフェロン応答の下流転写因子であるSTAT1を恒常的に発現抑制する細胞株を作製し、この株により形成した腫瘍における浸潤先端部の形成について解析を進めている。
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