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2011 年度 実績報告書

脳動脈新生の賦活による急性期脳梗塞に対する新規治療法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 23890052
研究機関東京医科歯科大学

研究代表者

三木 一徳  東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教 (00536823)

キーワード動脈新生 / 脳梗塞 / 側副血行 / 脳主幹動脈閉塞 / arteriogenesis
研究概要

本研究の目的は、脳内で生じている既存動脈リモデリングとしての動脈新生(arteriogenesis)賦活による側副血行活性化のメカニズムを解明し、これを利用した、新たな治療ストラテジーを確立することである。
1 脳動脈新生の賦活による側副血行活性化の評価とそのメカニズムの解明
carbon inkとLatex灌流固定法を利用した齧歯類虚血性脳血管障害モデルの脳表動脈の可視化を行い、脳軟膜動脈吻合部やwillis動脈輪の動脈新生評価と病理学的観察を基本に行う齧歯類モデルの確立に成功している。また分裂細胞のマーカーであるBrdU投与による、動脈新生の経時的変化についても観察可能になっている。現在、Rhoキナーゼ阻害薬である塩酸ファスジルを投与した場合の動脈新生の変化について検討を行っており、動脈新生促進効果とそのメカニズムの確認を行っている。
2 脳動脈新生賦活による脳循環動態変化の解析および動機能障害に与える効果の解析
脳血流の測定方法として従来おこなっていたドップラーエコーによる脳表血流測定に加えと動脈新生の関連を検討しており、今後は高分解高感度能小動物用分子イメージングシステム(NanoSPECT)を用いた脳血流分布と血流量の詳細な評価を行う予定である。さらに複数の行動評価バッテリーを用いて、齧歯類虚血性脳血管障害モデルの経時的行動観察評価を行い、脳内動脈新生による動脈新生賦活効果の確認された物質が行動機能障害に与える効果を確認し、動脈新生賦活による側副血行活性化を利用した脳梗塞治療の有効性を検討している。
3 主幹動脈閉塞による脳梗塞症例での側副血行評価法の確立
実際の主幹動脈閉塞の脳梗塞症例のMRIを利用した脳梗塞急性期の側副血行動態評価法の開発を行い、主幹動脈閉塞急性期においても、生理的な側副血行動態が梗塞範囲や機能予後に大きな影響を与えることを、臨床的に実証し報告している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

おおむねの実験は開始でき、実験系の確立は進んでいるが、高分解高感度能小動物用分子イメージングシステム(NanoSPECT)などについては利用開始可能時期が遅れてしまったこともあり、今年度半年間の間には実験系の確立までは至っていない。これらのことが解消し、今回の課題に対する実験系の確立が進んだあかつきには本研究の目的はである、動脈新生(arteriogenesis)賦活による側副血行活性化のメカニズムを解明することが可能になると考えられる。

今後の研究の推進方策

先に述べたような複合的な実験系の確立をより確実なものとし、この結果を齧歯類動物実験モデルを用いて病理学的、画像診断学的、行動評価額的に検討することで、動脈新生賦活による側副血行活性化のメカニズムを解明し、これを利用した、新たな治療ストラテジーを確立することは可能と考える
しかしながら本研究計画で、新たな知見が得られない場合は使用薬剤の変更などを行い追加の検証をおこなって行く予定である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2011

すべて 学会発表 (3件)

  • [学会発表] 脳主幹動脈閉塞による脳梗塞急性期MRIを利用した側副血行評価法の検討2011

    • 著者名/発表者名
      三木一徳
    • 学会等名
      第27回日本脳神経血管内治療学会学術総会
    • 発表場所
      千葉
    • 年月日
      2011-11-25
  • [学会発表] 頭蓋内主幹動脈近位部閉塞におけるProminent PCA laterality signの臨床的検討2011

    • 著者名/発表者名
      三木一徳
    • 学会等名
      第52回日本神経学会学術総会
    • 発表場所
      名古屋
    • 年月日
      2011-05-20
  • [学会発表] マウス慢性低灌流モデルにおける軟膜動脈の血管回避細胞分裂能の検討2011

    • 著者名/発表者名
      石橋哲
    • 学会等名
      第52回日本神経学会学術総会
    • 発表場所
      名古屋
    • 年月日
      2011-05-19

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公開日: 2013-06-26  

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