本研究の目的は骨リモデリングにおけるマイクロRNAの生理的意義を解明することである。 これまでに我々は、骨芽細胞にmir-206を過剰発現することで骨芽細胞の分化が低下すること、さらに骨芽細胞特異的にmir-206を過剰発現したトランスジェニックマウスの骨量が著明に減少することから、miRNAが骨芽細胞分化調節に重要であることを報告してきた。 今回、新たに骨芽細胞分化に伴い発現が増加するマイクロRNAとして、mir-34を同定した。更に本研究では(1)骨芽細胞特異的にmir-34を過剰発現したトランスジェニックマウスの骨量が著明に減少すること、(2)mir-34を骨芽細胞特異的ノックアウトマウスの骨量が著明に増加すること、さらに(3)mir-34がcyclin D1を介して骨芽細胞の増殖を調節すること、(4)mir-34がsatb2の蓄積を抑制することで骨芽細胞分化を調節することを見出した。
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