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2011 年度 実績報告書

歯肉増殖症歯肉におけるTNF-α変換酵素とそのインヒビターの役割

研究課題

研究課題/領域番号 23890062
研究機関新潟大学

研究代表者

阿部 大輔  新潟大学, 医歯学総合病院, 医員 (30609110)

キーワード医療・福祉 / 歯学 / 歯周病学 / 分子生物学 / 免疫組織化学 / 酵素
研究概要

カルシウム拮抗薬剤性歯肉増殖症罹患歯肉中における、TNF-αconverting enzyme (TACE)と、その特異的インヒビターであるTIMP-3のタンパク質発現解析、遺伝子発現解析を分子生物学的に解明する。また、その組織内局在について免疫組織化学にて明らかにし、薬剤性歯肉増殖症におけるTACEおよびTIMP-3の関与を究明することを目的とし、本年度は以下のように研究計画を実施した。1.試料採取慢性歯周炎患者、及び歯肉増殖症患者各10名より、歯肉組織を採取した。2.qRT-PCR解析採取した歯肉組織よりtotal RNAを抽出し、逆転写反応によりcDNAを合成した。TACE, TIMP-3, β-actinについて、特異的プライマーを用いてquantitative RT-PCR (qRT-PCR)解析を行った。得られた結果はβ-actinで補正し、comparative threshold cycles (Ct法)にて相対定量を行った。3.免疫組織学的解析パラフィン包埋された組織をミクロトームにて5μmの厚さに薄切し、パラフィン連続切片を10枚ずつ作成した。現在、TACE及びTIMP-3の免疫組織化学を行っているが、染色の条件設定中でまだ十分な結果が得られていない。今後解析を進めていく。4.結果の統計解析現在qRT-PCRの結果を解析中である。現時点では、慢性歯周炎と歯肉増殖症歯肉との比較で、TIMP-3は歯肉増殖症で有意に高く発現しており、TACEは、歯肉増殖症で高い傾向にあることを明らかにした。TIMP-3は歯肉組織の破壊をもたらす酵素の阻害という役割を有しており、歯肉増殖症で高く発現するという今回の結果は、TIMP-3による歯肉線維化の亢進が歯肉増殖症の病態であることを示唆した。また、TIMP-3はTACEとの相互作用について現在研究が進められている酵素であるため、さらにTACEのqRT-PCR解析、及び免疫組織学的解析を進めていき、学会発表及び論文作成を行っていく予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

我々は、遺伝子発現解析より慢性歯周炎と歯肉増殖症歯肉との比較で、TIMP-3は歯肉増殖症で有意に高く発現しており、TACEは、歯肉増殖症で高い傾向にあることを明らかにしている。免疫組織学的解析の結果と総合してまとめていく予定である。

今後の研究の推進方策

現在まで得られたデータを用いて、一度まとめ、春季歯科保存学会、EUROPERIO7にて発表予定である。免疫組織化学の結果は秋季日本歯周病学会にて成果発表をする。最終的な解析終了後、海外で開催される歯周病専門の学会にて発表し、成果を論文にまとめて国際専門誌に投稿する。

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公開日: 2013-06-26  

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