本研究の目的は、面会に回数や時間などの制限がないICUにおける重症患者の家族のニーズを構造化することを目的としている。本年度は、面会に回数や時間などの制限のないICUに入室している重症患者の家族が、面会に対してどのような思いを抱いているのかを明らかにすることを目的として研究を行った。面会に回数や時間などに制限のないICUに入室している重症患者家族を対象に行ったニードとその充足度に関するアンケート調査において、「自由に面会できることは家族にとって良いことであると思うか?」という質問に対し、120名中113名が「そう思う」と回答した。「自由に面会できることは家族によって良いと思う」理由についての自由記載欄を質的に分析を行った。その結果、家族は『仕事や自分の都合に合わせて面会したい』『会いたい』『顔を見たい』『側にいたい』『後悔したくない』『患者の精神的なケアをしたい』という思いを抱いており、『会いたいときに会える』ことでそれらの思いを満たすことが出来ていた。さらには『容体を自分の目で直接確認する』『治療の情報を得る』『看護の内容を知る』ことによって『安心』を得ていることが明らかになった。研究結果は、さらに分析を進めた上で、H24年度の学会での発表を予定している。また、この研究結果をもとに、面会に回数や時間などの制限がないICUに入室している重症患者家族を対象に半構造的面接を行うためのインタビューガイドを作成した。
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