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2011 年度 実績報告書

アクチン結合モチーフを有する転写活性化因子MKLのシナプス形態への関与

研究課題

研究課題/領域番号 23890065
研究機関富山大学

研究代表者

石川 充  富山大学, 大学院・医学薬学研究部(薬学), 助教 (10613995)

キーワードアクチン / SRF / 転写因子 / 樹状突起 / Rho
研究概要

「研究の目的」として提示した、神経細胞(ニューロン)の形と転写コアクチベーターMKLの関係について、当該年度において、その詳細を明らかにした。MKLファミリーのひとつMKL1はラットにおいて様々なスプライスバリアントが存在することを明らかにし、それらの遺伝子配列を同定した。そして、それら各種バリアントの発現ベクターを構築し、ラット大脳皮質ニューロンに導入し、転写因子SRF依存的な転写活性化や神経突起形態への影響について検証した。その結果、バリアント間での転写活性や神経突起の形態制御能に差異があることを明らかにした(論文準備中)。この結果から、MKLが有する様々なバリアントが、発達過程や外界からの刺激に応じて、神経細胞の機能と形を微妙に調整(fine-turning)していると考えられる。すでに、低分子量Gタンパク質Rhoの下流でMKLバリアントの機能が調節されていることを示し、細胞内局在や形態変化に異なった影響を与えていることを明らかとしている(論文準備中)。
同時に「研究計画」で提示した、細胞骨格関連の遺伝子発現の制御機構についても新たな発見があった。MKLは、最初期遺伝子であり細胞骨格系やスパイン形態制御に重要なArc遺伝子の誘導を行うことが明らかとなった。脳由来神経栄養因子BDNFでラット大脳皮質ニューロンを刺激するとArc遺伝子は強く発現誘導されるが、RNAiを用いMKLのノックダウンを行うと、その誘導は大幅に抑制された。さらに我々は、MKLがArcを誘導するのに必要なプロモーター領域を同定した。これはプロモーターアッセイのほかChIPアッセイを用いて明らかにした。以上のことから、MKLはBDNF下流で細胞骨格関連遺伝子の発現誘導を行うため、遺伝子発現レベルでの形態制御に関わっていることが示唆された(論文準備中)。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2011 その他

すべて 学会発表 (3件) 備考 (1件)

  • [学会発表] MKL, an actin-binding coactivator for SRF, is involved in a novel signa-ling pathway for activin-regulated dendritic morphology in rat cortical neurons2011

    • 著者名/発表者名
      石川充
    • 学会等名
      The 6^<th> International Conference of Neurons and Brain Diseases
    • 発表場所
      ANAクラウンプラザホテル(富山)
    • 年月日
      20110803-20110805
  • [学会発表] Identification and characterization of a novel transcript of rat MKL1, the actin-binding coactivator for SRF : the effect on transcriptional activation and neuronal morphology in rat cortical neurons2011

    • 著者名/発表者名
      石川充
    • 学会等名
      第34回日本分子生物学会年会
    • 発表場所
      パシフィコ横浜(横浜)
    • 年月日
      2011-12-13
  • [学会発表] アクチン結合性転写活性化因子MKLが関与するアクチビン誘導性のラット大脳皮質ニューロン樹状突起形態制御における新規シグナル伝達経路の解析2011

    • 著者名/発表者名
      石川充
    • 学会等名
      第34回日本神経科学大会
    • 発表場所
      パシフィコ横浜(横浜)
    • 年月日
      2011-09-17
  • [備考]

    • URL

      http://www.pha.u-toyama.ac.jp/biochel/index-j.html

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公開日: 2013-06-26  

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