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2011 年度 実績報告書

組織関門における新規インフラックス分子実体の同定と薬効・毒性予測への展開

研究課題

研究課題/領域番号 23890066
研究機関富山大学

研究代表者

久保 義行  富山大学, 大学院・医学薬学研究部(薬学), 講師 (20377427)

キーワード血液-網膜関門 / 薬物動態 / 毒性 / 薬効 / トランスポーター / オーファン分子 / 薬物送達 / インフラックス
研究概要

血液組織関門の物質取り込み機構に関与するインフラックストランスポーターの機能を明らかとすることは、薬物による網膜毒性発症機構やその回避戦略の確立、糖尿病網膜症などの網膜疾患治療薬の開発において重要である。薬物および栄養物の血液-網膜関門透過性に対するインフラックストランスポーターの寄与を検証する目的で、薬物(digoxinやverapamilなど)の血液-網膜関門透過性に関して、in vivo解析を実施するとともに、阻害解析を実施した。その結果、verapamilなどの血液-網膜関門透過性は有機カチオン性薬物による阻害を受けることが示された。以上から、血液-網膜関門には未知の有機カチオン性薬物輸送システムの存在が示唆された。また、オーファンインフラックストランスポーターの探索・同定においては、特異的タンパク質ホモロジーサーチの結果、オーファン候補分子群の発見に成功した。NCBIなどのデータベースから得られたアミノ酸配列情報を基にハイドロバシー解析を実施した結果、これら分子群には12回膜貫通構造が示唆されるとともに、SLC(solute carrier)トランスポーターファミリーに類似した2次構造を有することが示唆された。TR-iBRB2細胞および網膜組織をmRNAソースとしたRT-PCR転写産物発現解析の結果、血液-網膜関門には、オーファン候補分子が複数発現していることが示された。以上は、オーファン候補分子が血液-網膜関門においてインフラックストランスポーターとして機能する可能性を示すものである。血液-網膜関門に発現する候補分子に関しては、完全長cDNAクローニングを実施し、発現ベクターの構築を実施した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の研究計画に従い、ラットにおけるin vivo解析を実施し、verapamilなどの薬物のin vivoO輸送特性を解析した結果、未知の輸送システムの存在が示唆された。特異的ホモロジーサーチおよび転写産物発現解析によって、血液一網膜関門に発現する複数のオーファンインフラックストランスポーター候補分子が見出された。以上により、次年度も当初の計画通りの解析を実施できる状況である。

今後の研究の推進方策

当初の計画に従って解析を実施する予定である。Verapamilなどの有機カチオン性薬物に関しては、TR-iBRB2細胞などのモデル細胞を用いてin ivtro解析を実施し、血液-網膜関門における詳細な輸送特性の検証を行う。また、検索・同定された各オーファン候補分子の機能を明らかとすることを目的に、アフリカツメガエル卵母細胞および培養細胞を用いた薬物取り込み機能in vitro解析を実施する予定である。以上の取り組みによって、血液-網膜関門において機能する薬物輸送システムの同定を目指す。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2012

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Application of Membrane Permeability Evaluated in In vitro Analyses to Estimate Blood-Retinal Barrier Permeability2012

    • 著者名/発表者名
      Kubo Y, Fukui E, Akanuma S, Tachikawa M, Hosoya K
    • 雑誌名

      Journal of Pharmaceutical Sciences

      巻: (掲載決定済)(Accepted)

    • 査読あり
  • [学会発表] In vitro解析法による薬物網膜移行性の評価2012

    • 著者名/発表者名
      福井恵理, 久保義行, 赤沼伸乙, 立川正憲, 細谷健一
    • 学会等名
      日本薬学会第132年会
    • 発表場所
      北海道大学(札幌)
    • 年月日
      2012-03-31
  • [図書] Inner Blood-Retinal Barrier Transporters : Relevance to Diabetic Retinopathy' Ola, Mohammad S/"Diabetic Retinopathy", open access publication (http://www.intechopen.com/books/diabetic-retinopathy)2012

    • 著者名/発表者名
      Kubo Y, Hosoya K
    • 総ページ数
      18
    • 出版者
      InTech (Croatia)

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公開日: 2013-06-26  

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