本年度は、昨年にひきつづいて、重症角膜感染症症例(アカントアメーバ角膜炎症例とサイトメガロウイルス角膜内皮炎症例)について、レーザー生体共焦点顕微鏡を用いた解析を行い、学術雑誌で報告した。 サイトメガロウイルス角膜内皮炎患者において、レーザー生体共焦点顕微鏡でのサイトメガロウイルス感染細胞(owl’s eye 細胞)の配列と細隙灯顕微鏡でのコインリージョンの配列との相同性を証明し、Japanese Journal of Ophthalmology誌(査読あり)で発表した。この結果は、疾患の病態解明に役立つと思われた。 また、ヒトヘルペスウイルス6型とサイトメガロウイルスが同時に検出された角膜内皮炎症例についてJapanese Journal of Ophthalmology誌(査読あり)で発表した。ヒトヘルペスウイルス6型の角膜内皮炎への関与については初めての報告であり、意義深いと思われた。 一方、アカントアメーバ角膜炎において、レーザー生体共焦点顕微鏡でアカントアメーバシストのボウマン層への侵入が遷延感染の有無のポイントであることを明らかにし、Clinical Ophthalmology誌(査読あり)で発表した。また、培養アカントアメーバ栄養体のレーザー共焦点顕微鏡画像を解析、栄養体の多様な形態と特徴的な偽足について明らかにし、Clinical Ophthalmology誌(査読あり)で発表した。
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