研究概要 |
妊娠糖尿病(Gestational diabetes mellitus, GDM) で併発した網膜症は、劇症化することがあり、通常と異なる機序が関与している。類似した病態である、血糖コントロールに伴う網膜症劇症化に Betacellulin (BTC)という蛋白質が関与し、これが、血管内皮増殖因子 (VEGF) とともに本疾患の原因となると考え、正常・妊婦・糖尿病・GDM妊婦の血中濃度とマウスモデルの網膜における発現をしらべた。 血中の VEGFは GDM群で低下していたが BTC は増加していた。マウス網膜でも同様の傾向であり、血管透過性亢進が GDM群で認められた。以上から、GDMでは VEGFでなく BTCが劇症化に関与する可能性が示唆された。
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