組織マクロファージの一つである赤脾臓に存在するred pulp macrophage (RPM)の分化は、ETS ファミリーに属する転写因子Spi-cによってその分化が制御されている。RPMの前駆細胞の同定を試みるために、spi-C IRESGFPノックインマウスの作成した。前駆細胞はspicを発現しているとの仮定のもとに、spic IREs-GFPノックインマウスを用いてどの細胞がspicを発現しているのかを検討した。GFP陽性細胞にはspic欠損マウスで減弱していたRPM(F4/80^<hi>)に加えてに加えて、F4/80^<low>の画分の一部が含まれていた。FACSおよび組織切片で解析し、この細胞群には単球でも樹状細胞でもないRPMの前駆細胞と考えられる細胞集団が含まれている事、さらに、この画分にある種のB cellも含まれていることを見いだした。 Spi-C遺伝子欠損マウスではB6バックグラウンドにすると胎生致死となる。そのためinvivoにおける感染実験、あるいは細胞の移入実験を行うために必要な匹数を一度に得る事が難しいという問題があった。そこで、GFPノックインマウスに加えてSpi-C conditional Knockoutマウスの作成も行った。 また、脾臓細胞中のF4/80陽性細胞の中でも、Spi-Cを高発現している画分、つまりRPMがmalariaparasiteに感染している赤血球を効率よく食食することをin vitroの系にてGFPノックインマウスを用いて明らかにした。
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