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2011 年度 実績報告書

ケモカイン受容体CCR7に会合する分子COMMD3による免疫細胞の動態制御

研究課題

研究課題/領域番号 23890097
研究機関大阪大学

研究代表者

鈴木 一博  大阪大学, 免疫学フロンティア研究センター, 特任准教授 (60611035)

キーワード免疫細胞動態 / ケモカイン受容体 / 生体イメージング
研究概要

本研究は,我々がケモカイン受容体CCR7の細胞内領域に会合する分子として同定したCOMMD3の機能解析を通じて,新しい免疫細胞動態の制御機構を解明することを目的とする.特に生体内の免疫細胞動態を解析するに当たっては,2光子励起蛍光顕微鏡を用いた生体イメージング技術を最大限に活用する.COMMD3の各免疫細胞サブセットにおける発現を定量PCRを用いて解析した結果,COMMD3の発現はT細胞,B細胞および樹状細胞を含めた免疫細胞サブセットに広く発現していることが確認された.CCR7の反応性制御におけるCOMMD3の機能について検討するため,COMMD3の発現をmRNAレベルで90%以上抑制するsmallhairpin RNA(shRNA)を作成し,マウスリンパ腫細胞株に導入した結果,細胞株のCCR7のリガンドに対する走化性が減弱することが確認された.このことは,COMMD3がCCR7のシグナル伝達の正の制御因子であることを示している.また,生理的条件でのCOMMD3の機能を明らかにするため,COMMD3遺伝子欠損マウスの作成に着手し,既にキメラマウスが得られている.さらに,生体イメージングに必要な2光子励起蛍光顕微鏡の整備に取り組み,生体内のリンパ組織を生きたまま観察する準備を整えた.
本研究をさらに推し進め,COMMD3の機能の詳細が明らかになれば,COMMD3を標的とした薬剤によって,免疫細胞のケモカインに対する反応性をCCR7あるいは他のケモカイン受容体に偏向させることで,生体内での免疫細胞の動態を人為的に操作することが可能となる.このような薬剤の開発は,自己免疫・慢性炎症性疾患および臓器移植後の拒絶反応・移植片対宿主病の新たな治療につながる可能性がある.

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2012 2011 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (4件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] The sphingosine 1-phosphate receptor S1P_2 maintains the homeostasis of germinal center B cells and promotes niche confinement2011

    • 著者名/発表者名
      Green, J.A., Suzuki, K., et al
    • 雑誌名

      Nature Immunology

      巻: 12 ページ: 672-680

    • DOI

      10.1038/ni.2047

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Follicular dendritic cells help establish follicle identity and B cell retention in germinal centers2011

    • 著者名/発表者名
      Wang, X, Cho, B., Suzuki, K., et al
    • 雑誌名

      Journal of Experimental Medicine

      巻: 208 ページ: 2497-2510

    • DOI

      10.1084/jem.20111449

    • 査読あり
  • [学会発表] Visualizing antigen encovinter during early B cell responses2012

    • 著者名/発表者名
      鈴木一博
    • 学会等名
      5^<th> Immunoparasitology Meeting
    • 発表場所
      大阪大学免疫学フロンティア研究センター(大阪府)(招待講演)
    • 年月日
      2012-03-01
  • [学会発表] ライブで視るB細胞免疫応答2012

    • 著者名/発表者名
      鈴木一博
    • 学会等名
      GCOEセミナー
    • 発表場所
      東京大学医科学研究所(東京都)(招待講演)
    • 年月日
      2012-02-21
  • [学会発表] ライブで視る免疫2011

    • 著者名/発表者名
      鈴木一博
    • 学会等名
      WPI6拠点合同シンポジウム
    • 発表場所
      福岡銀行本店大ホール(福岡県)(招待講演)
    • 年月日
      2011-11-12
  • [学会発表] ライブで見る身近にある「免疫」2011

    • 著者名/発表者名
      鈴木一博
    • 学会等名
      カフェ・オンザエッジ(サイエンスカフェ)
    • 発表場所
      アートエリアB1(大阪府)(招待講演)
    • 年月日
      2011-07-28
  • [備考]

    • URL

      http://www.ifrec.osaka-u.ac.jp/jpn/laboratory/immuneresponsedynamics/outline.php

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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