妊娠高血圧症候群は、全妊婦の5~10%に発症し、母児の声明を脅かすものであるが、現代医学の進歩にも関わらず、未だに治療法は分娩のみである。「学説の病」と言われる程に病因論も多岐に渡っている。今まで我々のグループは盤特異的に血管新生阻害因子であるsoluble VEGF receptor(sFLT1)を過剰発現させ、妊娠高血圧症候群モデルマウスを作製し、さらに、このモデルマウスを用いてHMG-CoA reductase inhiitor(statin )により発症を予防できることを示した。我々の作成したモデルマウスでは対照群と比較して胎盤が15%低形成となっている。この胎盤を用い、発現が大きく変化した遺伝子群を候補遺伝子群とした。 2012年度は、上記の候補因子群をターゲットとして、ヒトの血清での検索を行い、候補因子群の中から、より関連性の高いものを選出した。さらにこの選出した因子群を単独で、あるいは複数個、マウスに導入することにより、妊娠高血圧症候群発症するかどうかの検出を行い。可能性の高い候補を選出した。
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