数種の糖アルコールは、口腔常在菌Streptococcus gordoniiと歯周病菌Porphyromonas gingivalisで構成される歯周病原性バイオフィルムの形成を阻害し、とりわけエリスリトールがP. gingivalisを最も効果的に抑制することを確認した。そこで、その形成阻害機序を明らかにすることを目的とし、エリスリトール存在下におけるバイオフィルム構成細菌のタンパク質や代謝産物の変化を観察するためにメタボローム解析等を実施した。その結果、エリスリトールは核酸合成系、解糖系を含む様々な代謝経路に影響を及ぼすことにより、各菌の増殖を抑制し、バイオフィルム抑制効果を発揮している可能性を明らかにした。
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