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2011 年度 実績報告書

口腔癌におけるチロシンホスファターゼPRL-3の発現と意義

研究課題

研究課題/領域番号 23890125
研究機関岡山大学

研究代表者

吉田 祥子  岡山大学, 大学病院, 医員 (00616047)

キーワードPRL-3 / 口腔扁平上皮癌
研究概要

【上皮異形成と口腔扁平上皮癌症例におけるPRL-3、Ki-67、p53、BAX、Bcl-2、CKの発現の検討】:口腔扁平上皮癌は正常粘膜上皮と比較してPRL-3の発現が有意に上昇することをこれまで報告してきたが、癌化過程のどの段階でPRL-3の発現が上昇するかを明らかにするために、ヒト口腔上皮異形成(軽度、中等度、重度)症例および口腔扁平上皮癌症例におけるPRL-3の発現を免疫組織化学的に検討した。その結果、PRL-3は,正常口腔粘膜上皮と比較して口腔扁平上皮癌(p<0.05)および口腔上皮異形成で発現が上昇していた(p<0.001)。また、口腔扁平上皮癌91例におけるPRL-3の発現と臨床病理学的因子との関係では、高分化型口腔扁平上皮癌でPRL-3の発現上昇を認め(p<0.0001)、YK分類において低浸潤型とされる1型、2型、3型の症例は高浸潤型の4C型および4D型と比較してPRL-3の発現上昇を認めた(p<0.005)。一方、PRL-3の発現と他の臨床病理学的事項との相関は認められなかった。また、増殖に関連するki-67や分化に関連するサイトケラチン(CK)とPRL-3の発現との関連、さらに、PRL-3はp53に結合する蛋白として同定されていることから、p53およびアポトーシスに関与するBAX、Bcl-2の発現とPRL-3との関連についても検討を行ったところ、PRL-3の発現と分化マーカーであるCK17の発現との間に正の相関関係を認めた(p<0.001)。PRL-3の発現とKi-67、p53、BAX、Bcl-2の発現との間には相関関係は認められなかった。このことから、PRL-3は口腔扁平上皮癌において、癌の浸潤・転移よりむしろ癌の分化に関与することが示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究実施計画書に記載の平成23年度の計画はほぼ終了している。

今後の研究の推進方策

研究実施計画書に記載の平成24年度の計画を進行予定である。すなわち、口腔扁平上皮癌細胞HSC-4におけるPRL-3の発現をRNA干渉を用いて抑制し、増殖、浸潤、転移、分化についてin vitroとin vivoで検討を行う。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Increased expression of the PRL-3 gene in human oral squamous cell carinoma and dysplasia tissues2011

    • 著者名/発表者名
      Hassan NM
    • 雑誌名

      Asian Pac J Cancer Prev

      巻: 12 ページ: 947-951

    • 査読あり
  • [学会発表] 口腔扁平上皮癌におけるサイトケラチンの発現についての検討2012

    • 著者名/発表者名
      吉田祥子
    • 学会等名
      第30回日本口腔腫瘍学会総会・学術大会
    • 発表場所
      大宮ソニックシティ(埼玉県)
    • 年月日
      2012-01-26

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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