Insulin-like growth factor-binding protein-1(IGFBP-1)とProlactin(PRL)は、子宮内膜間質細胞(ESC)においてプロゲステロンによる脱落膜化に伴い特異的に発現が誘導されることから、脱落膜化マーカーとして知られている。この遺伝子のエピジェネティクスstatusを検討した。ま.ず、増殖期の子宮内膜からESCを分離培養し、脱落膜化を誘導させる前の細胞を用いて検討した。DNAメチル化状態を検討したところ、両遺伝子のpromoter領域}ま脱メチル化状態になっていることが分かった。また、ヒストンアセチル化状態を検討したところ、両遺伝子のpromoter領域は高アセチル化状態であることが分かった。つまり、クロマチン構造はactiveな状態になっており、転写因子が結合しやすい状態になっていると考えられた。次に、エストロゲンとプロゲステロンを用いて培養し、脱落膜化を誘導させた。脱落膜化を誘導することでこのエピジェネティクスstatusに変化が起こるか検討した。DNAメチル化状態、ヒストンアセチル化状態ともに脱落膜化前後で変化を認めなかった。しかし、転写因子C/EBPはそれぞれのpromoterにrecruitされた。ここで、他のヒストン修飾を見るために、ChIPassayで用いる抗体を他のリジン残基修飾を認識する抗体(H3k27aety1抗体)を用いて検討したところ、IGFBP-1、PRLpromoterにおけるH3k27ac状態は脱落膜化にともない上昇する傾向が認められ、現在追試を施行している。
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