研究課題/領域番号 |
23890144
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研究機関 | 香川大学 |
研究代表者 |
藤井 誠 香川大学, 医学部, 助教 (30398086)
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キーワード | ファゴサイトーシス / ライブセルイメージング |
研究概要 |
マクロファリジ等の食細胞による病原菌や外来異物の貪食は、生体防御の観点から非常に重要である。近年、貪食ターゲットの違いにより、貪食された異物の分解速度や、抗原提示に差があることが明らかとなりつつあるが、その分子機構の差異は、不明な点が多い。そこで本研究では、細胞内小胞輸送等に関与する低分子量GTPase、Rab35に焦点をあて、異なる貪食ターゲットによって惹起される貪食過程とRab35の機能相関の解明を目指して以下の研究を行った。 貪食ターゲットとして、酵母由来Zymosan粒子(TLR2介在性自然免疫モデル)、C3bオプソニン化Zymosan粒子(CR介在性モデル)を用い、Rab35ノックダウンマクロファージ(Rab35KD)における貪食活性をコントロールと比較した。Zymosan粒子を用いたところ、Rab35KDでは、貪食活性がコントロールの1/3程度であったのに対し、C3bオプソニン化Zymosan粒子では、両者に差は見られなかった。 次に、GFP-Rab35を用いて、異なる貪食ターゲットによって形成される貪食小胞へのRab35の局在を観察した。Rab35は、Zymosan粒子によって形成される貪食小胞へ強く局在するが、C3bオプソニン化Zymosan粒子によって形成される貪食小胞へは局在を示さない。これらの結果から、Rab35は、TLR2を介した貪食過程では、重要な役割を果たしているが、CRを介した貪食には、必要ないことが明らかとなった。 この様に、異なる貪食ターゲットによって惹起される分子機構の差異を一つずつ明らかにすることは、様々な感染症や自己免疫疾患といった免疫異常の分子メカニズムの解明やこれらに対する治療法、創薬の開発に結びつく事が期待され、非常に重要である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現在までに、異なる貪食ターゲットによって形成される貪食小胞への低分子量GTPase、Rab35の関与の違いを複数のアッセイ系を用いて明らかにしており、おおむね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
今後、今回用いた2種類の貪食ターゲットとは別の貪食ターゲット(アポトーシス細胞貪食モデル、FcR介在性モデル)を用いて、同様の実験を行い、これらの系に対するRab35の関与を明らかにする。 また、Rab35の貪食過程への関与の有無とアクチン細胞骨格との関係を細胞免疫染色や多色蛍光ライブセルイメージングを用い、明らかにする。
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