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2012 年度 実績報告書

タンパク質架橋反応による腸管免疫の情報伝達制御

研究課題

研究課題/領域番号 23890147
研究機関九州大学

研究代表者

柴田 俊生  九州大学, 理学(系)研究科(研究院), 助教 (00614257)

研究期間 (年度) 2011-08-24 – 2013-03-31
キーワードキイロショウジョウバエ / トランスグルタミナーゼ / 腸管免疫 / 腸内細菌叢 / imd経路
研究概要

トランスグルタミナーゼ (TG) は、タンパク質の架橋反応を触媒する生体に必須の酵素である。最近、キイロショウジョウバエのTGが腸管免疫を制御していることを見出した。腸管免疫制御の分子機構は未解決の問題である。そこで、本研究では腸管免疫におけるTGの機能を調べた。
まず、腸管免疫におけるTGの機能を調べるために、TGをRNAiした系統と、コントロール系統の、腸管における各種免疫関連因子の産生量を定量化した。その結果、主要な免疫経路であるimd経路の抗菌ペプチド群が、RNAi系統において著しく亢進していることが判明した。また、TGをRNAiした系統では、コントロール系統と比較して生存率が減少しており、高頻度で腸管上皮の細胞死が誘発されていた。興味深いことに、RNAi系統を無菌状態にすると、生存率は大幅に回復し、細胞死も認められなかった。さらに、RNAi系統の腸管抽出物を、無菌化した野生型系統に経口投与すると、生存率が低下した。以上より、TGは腸管免疫を負に制御し、腸内細菌叢の維持を行っていることが示唆された。そこで、TGをRNAiした系統とコントロール系統の腸内細菌叢の解析を行った。コントロールの系統では、抗菌ペプチド感受性が高い細菌群が50%以上占めていた一方で、TGをRNAiした系統では、抗菌ペプチド抵抗性を有するPseudomonas属が大半を占めていた。さらに、TGの基質を同定するために、TGの合成基質を用いた実験を行った。TGの合成基質を成虫に経口投与すると、imd経路の抗菌ペプチド発現に関与する転写因子に、TG依存的に取り込まれた。TGによる架橋様式を確かめるため、組換え体を用いた架橋実験を行ったところ、この転写因子はTGにより高度に架橋されることが明らかとなった。以上のことから、TGは転写因子を架橋して不活性化し、腸管免疫の恒常性維持に寄与していることが判明した。

現在までの達成度 (区分)
理由

24年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

24年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2013 2012

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (5件) (うち招待講演 1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Microbe-Specific C3b Deposition in the Horseshoe Crab Complement System in a C2/Factor B-Dependent or -Independent Manner2012

    • 著者名/発表者名
      Keisuke Tagawa
    • 雑誌名

      PLOS ONE

      巻: 7 ページ: e36783

    • DOI

      10.1371/journal.pone.0036783

    • 査読あり
  • [学会発表] ハエ腸管の囲食膜タンパク質ドロソクリスタリン架橋化と生体防御機構の解明2013

    • 著者名/発表者名
      柴田俊生
    • 学会等名
      平成25年度日本生化学会九州支部例会
    • 発表場所
      佐賀
    • 年月日
      20130518-20130519
  • [学会発表] キイロショウジョウバエトランスグルタミナーゼの架橋反応による腸管免疫の維持機構2012

    • 著者名/発表者名
      柴田俊生
    • 学会等名
      第85回日本生化学会
    • 発表場所
      福岡
    • 年月日
      20121214-20121216
    • 招待講演
  • [学会発表] Transglutaminase-catalyzed protein-protein crosslinking of Relish suppresses innate immune signaling in Drosophila.2012

    • 著者名/発表者名
      Toshio Shibata
    • 学会等名
      Homeostatic Inflammation Symposium
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      20121024-20121026
  • [学会発表] Transglutaminase-catalyzed Crosslinking Suppresses Innate Immune Signaling in the Drosophila Gut.2012

    • 著者名/発表者名
      Toshio Shibata
    • 学会等名
      International Society of Developmental and Comparative Immunology
    • 発表場所
      福岡
    • 年月日
      20120709-20120713
  • [学会発表] キイロショウジョウバエトランスグルタミナーゼの架橋反応による腸管免疫の維持機構2012

    • 著者名/発表者名
      柴田俊生
    • 学会等名
      平成24年度日本生化学会九州支部例会
    • 発表場所
      福岡
    • 年月日
      20120526-20120527
  • [図書] 研究者が教える動物飼育2012

    • 著者名/発表者名
      柴田俊生
    • 総ページ数
      5
    • 出版者
      日本比較生理生化学会編集

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公開日: 2014-07-24  

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