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2012 年度 実績報告書

IRFをターゲットとしたミクログリアによる神経障害性疼痛発現メカニズムの解明

研究課題

研究課題/領域番号 23890148
研究機関九州大学

研究代表者

増田 隆博  九州大学, 薬学研究科(研究院), 学術研究員 (80615287)

研究期間 (年度) 2011-08-24 – 2013-03-31
キーワードミクログリア / 神経障害性疼痛 / IRF / 転写因子 / 中枢性疾患 / P2X4受容体
研究概要

中枢性疾患発症時に、ミクログリア細胞を活性化状態へと移行させる遺伝子制御メカニズムの解明を目的として、転写因子interferon regulatory factor (IRF)に着目し、特に神経障害性疼痛発症に寄与する活性化ミクログリア内で働く転写因子ネットワークの解明を目指した。神経障害性疼痛モデル動物の脊髄ミクログリアにおいて、IRFファミリーの一つであるIRF5の発現増加が観察され、その発現増加はIRF8欠損マウスでは完全に消失した。一方、レンチウィルスベクターを用いて、ミクログリア細胞にIRF8を強制発現させると、IRF5が発現誘導され、またクロマチン免疫沈降法やルシフェラーゼアッセイ法等の解析の結果、IRF8がIRF5の発現を直接制御していることが明らかになった。次に、脊髄ミクログリアに発現するIRF5が疼痛発症に寄与するか否か検討するため、IRF5のsiRNAを作製し、神経障害性疼痛モデル動物の脊髄腔内に投与した。その結果、脊髄IRF5の発現抑制に伴い、神経障害に起因する疼痛行動が顕著に抑制されたことから、ミクログリアに発現するIRF5が疼痛発症に寄与していると考えられた。そこで、培養ミクログリア細胞を用いて、IRF5の役割について検討した。その結果、疼痛発症に重要な役割を果たしているP2X4受容体の発現増加にIRF5が関与している可能性が示唆された。以上の結果から、末梢神経損傷後、脊髄ミクログリアで発現増加したIRF8-IRF5軸がP2X4受容体などの疼痛関連因子の発現誘導を介してミクログリアを活性化状態へと移行させ、神経障害性疼痛発症に重要な役割を果たしていると考えられる。本研究により、種々の中枢性疾患発症に寄与していることが明らかになっているミクログリアの活性化状態への移行にIRF転写因子ネットワークが重要な役割を果たしていることが初めて特定された。

現在までの達成度 (区分)
理由

24年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

24年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2013 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (6件)

  • [雑誌論文] Microglial regulation of neuropathic pain.2013

    • 著者名/発表者名
      Makoto Tsuda
    • 雑誌名

      Journal of Pharmacological Sciences

      巻: 121 ページ: 89-94

    • DOI

      10.1254/jphs.12R14CP

    • 査読あり
  • [学会発表] IRF Family Transcription Factor Axis Governs Gene Expression Program in Microglia Gating Neuropathic Pain

    • 著者名/発表者名
      Takahiro Masuda
    • 学会等名
      Purine2012
    • 発表場所
      福岡
  • [学会発表] IRFファミリー転写因子群によるミクログリア遺伝子の発現制御と神経障害性疼痛

    • 著者名/発表者名
      増田隆博
    • 学会等名
      第34回日本疼痛学会
    • 発表場所
      熊本
  • [学会発表] IRF5 is required for IRF8-derived microglial activation and contributes to neuropathic pain

    • 著者名/発表者名
      増田隆博
    • 学会等名
      第55回日本神経化学会大会
    • 発表場所
      神戸
  • [学会発表] IRF8 is a critical transcription factor required for transforming microglia into a reactive phenotype after nerve injury

    • 著者名/発表者名
      Takahiro Masuda
    • 学会等名
      Neuroscience2012
    • 発表場所
      ニューオリンズ(アメリカ)
  • [学会発表] VNUT is required for producing pain hypersensitivity after peripheral nerve injury

    • 著者名/発表者名
      Takahiro Masuda
    • 学会等名
      JST-CREST international symposium
    • 発表場所
      東京
  • [学会発表] IRF8-IRF5軸は神経障害性疼痛発現を担うP2X4受容体高発現ミクログリアを誘導する

    • 著者名/発表者名
      増田隆博
    • 学会等名
      第86回日本薬理学会年会
    • 発表場所
      福岡

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公開日: 2014-07-24  

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