本研究では、Th17免疫応答に関連する二つのサイトカインIL-23とIL-17 が腸管平滑筋収縮性に与える影響について検討を行った。ラット小腸平滑筋において、IL-23はK+脱分極収縮反応を軽度低下したが、カルバコールによる収縮反応には影響を与えなかった。一方、IL-17はK+脱分極収縮反応及びカルバコールによる収縮反応を有意に低下させた。α-toxin処理脱膜下標本を作成し、IL-17がカルバコールによるCa^2+感受性に与える影響を検討したところ、IL-17はCa^2+感受性に影響を与えなかった。Th17免疫応答は電位依存性Ca2+チャネル活性化に始まるCa^2+/カルモジュリン/MLCK経路に作用し、Ca^2+感受性を変えずに腸管平滑筋収縮性を低下させることが示唆された。
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