研究課題/領域番号 |
23890157
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研究機関 | 佐賀大学 |
研究代表者 |
南里 妃名子 佐賀大学, 医学部, 非常勤博士研究員 (20612435)
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キーワード | 食事パターン / 肥満関連遺伝子多型 / アディポネクチン / コーホート研究 |
研究概要 |
食事と肥満関連遺伝子多型の交互作用の検討は、欧米をはじめ我が国からもいくつか報告されているが、栄養素や食品レベルに限られた検討である。食事は複数の栄養素が含まれている食品を組み合わせて摂取していることから、体内では栄養素の作用が強められたり打ち消されたりしていると考えられており、欧米や欧州をはじめ、日本国内でも食事パターンを抽出する研究が行われている。しかし、日本人を対象とした食事パターンと肥満関連遺伝子多型の交互作用の影響についての検討は実施されておらず、これらの関連を明らかにするためには正確でバイアスの少ない大規模なコーホート研究での検討を行う必要がある。 そこで、本研究では日本大規模コーホート研究(ベースライン調査)において5,000人を対象に肥満関連遺伝子多型であるβ2ADR(Gln27Glu)およびβ3ADR(Trp64rg)の交互作用について、HbAlcと血中トリグリセリドとの関連について検討を行った。 また、生体指標の一つであるアディポネクチンは脂肪細胞でのみ産生・分泌される特異的物質であるにもかかわらず、BMIと逆相関することが大きな特徴である。血中アディポネクチン濃度は内臓脂肪蓄積に伴い低下し、低アディポネクチン血症がインスリン抵抗性、高血圧、高トリグリセリド血症、低HDL血などメタボリックシンドロームと病態と密接にかかわる可能性が高いことが明らかになっている。食事および肥満関連遺伝子多型がアディポネクチンに与える影響を明らかにするため、調査参加者の血中アディポネクチンを測定しており、現在、約2000名の測定を完了している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
申請時の研究目的を達成するため、現在、血中アディポネクチン測定を計画的に随時実施している。また、同時に食事パターンと肥満関連遺伝子多型との関連を検討し、その研究成果を学会発表で報告をしている。
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今後の研究の推進方策 |
地域住民コーホートに参加した対象者の血液サンプルを用いて、血中アディポネクチン測定を完了する。食事パターンがアディポネクチンに与える影響を横断的に検討し、これらの結果をもとに、肥満関連遺伝子多型との交互作用について関連について明らかにする。
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