研究課題/領域番号 |
23890165
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研究機関 | 大分大学 |
研究代表者 |
中村 憲一郎 大分大学, 医学部, 助教 (70608372)
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キーワード | GNE / 縁取り空胞を伴う遠位型ミオパチー / 酵母ツーハイブリッド法 |
研究概要 |
縁取り空胞を伴う遠位型ミオパチー(DMRV)の原因遺伝子であるGNEの筋における機能及びDMRV発症機序を解明するため、酵母ツーハイブリッド法を用いてGNEと相互作用する蛋白質を調べた。GNEの翻訳領域全長(GNE)、epimerase domain (GNE-E)あるいはkinase domain(GNE-K)に対応するGNEのbaitコンストラクトを作製し、ヒト骨格筋cDNAライブラリー(prey)を用いてスクリーニングしたところ、それぞれ、5(GNE)、48(GNE-E)、30(GNE-K)コロニーが陽性であった。陽性コロニーから精製した遺伝子の配列を調べてデータベースで検索したところ、それぞれ、3(GNE)、15(GNE-E)、6(GNE-K)遺伝子がヒットした。これらの候補遺伝子(prey)をそれぞれGNE(bait)と同時に酵母細胞にトランスフォーメションしたところ、6遺伝子はGNEとの相互作用を示さなかったが、18遺伝子はGNEとの相互作用を示した。いずれの候補もこれまでGNEとの相互作用が報告されていないものであり、候補の中には筋細胞に特異的に発現している蛋白質や遺伝性筋疾患の原因と考えられている蛋白質等が含まれていた。本研究結果から、GNEの筋細胞における新たな機能の発見並びにGNE機能障害による筋障害発症機序の解明が期待できる。今後、GST pull down assay及び共免疫沈降法でこれらの候補とGNEの相互作用を確認した後、その機能を解析する予定である
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
酵母ツーハイブリッド法を用いたGNEと相互作用する蛋白質のスクリーニングを予定通り行い、スクリーニングされたGNEと相互作用する候補分子について現在GST pull down assay及び共免疫沈降法の実験を進めているため。
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今後の研究の推進方策 |
今後、スクリーニングされたGNEと相互作用する候補分子についてGST pull down assay及び共免疫沈降法でこれらの候補とGNEの相互作用を確認する。GNEと相互作用が確認された蛋白質について、培養細胞を用いてその機能を解析する予定である。
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