研究概要 |
本研究の目的は、若年がんサバイバーの適応を促進するためのボディーイメージ変調への看護介入方法の開発を、女性のがんサバイバーに焦点をあてて開発することを目的としている。平成23年度は若年がんサバイバー、またボディーイメージ変調に関する国内外の文献検討と、脱毛への対応などすでに病院で用いられているパンフレットの収集を行い、インタビューガイド作成に向けて取り組んでいる。 若年がんサバイバー、またボディーイメージに関する看護研究について海外文献は9、国内文献55、パンフレット3について検討を行った。これらの文献は患者の体験を明らかにした上で看護の示唆を提示しているものが多く、また看護支援に焦点を当てた研究の多くは事例研究であり、看護介入方法としては明確になっていないことが考えられた。さらに、ボディーイメージの概念については海外文献3、国内文献5の検討を行い、Head(1920年代)、Silder(1987)、Helman(1995)らの文献から健康な状態であっても揺らぎながら再構成をしていく過程を繰り返していること、さらに状況・環境によって構成される側面も含むことが捉えられた。さらに、ボディーイメージはコーピングに影響をうけること(水島1996)、海外でもがん患者のコーピングプログラムとして1989年からLook Good_Feel Better運動が米国で活発に行われていること(野澤,2011)が報告されており、看護介入方法を考えていく上で患者のコーピングに着目をしていく必要があることが示唆された。 さらに、がん患者の外見の変化に対して心理的なサポートプログラムや、美容専門家が取り組んでいる美容的ケアについての報告(野澤,2011;高坂2008)など、様々な職種が取り組んでいる支援についても文献収集と検討をしている。 Price(1990)のケアモデルの考え方に、これらの側面や特徴を考慮して、インタビューガイドを完成させ、5月末の所属施設の倫理審査委員会を受審し、その後データ収集を進めていく予定である。
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