研究概要 |
本研究の目的は,放電陽極酸化によるチタン製インプラントの表面処理により,周囲組織細胞の酸化ストレス抑制と生体適合性向上を達成し,インプラント補綴治療の応用範囲を拡大することである.表面研磨チタン,陽極酸化チタン,大気加熱チタンおよび陽極酸化処理後に大気加熱したチタンをX線回折で表面分析.また,これらチタン試料を大気中で保管し,ヒドロキシラジカルや親水基の発生を,X線光電子分光分析法を用いて経時的に測定.同時に,各試料表面の経時的な親水性の変化と有機炭化水素の吸着を測定.マウスの頭蓋骨から採取した骨芽細胞をチタン試料表面で培養し,回収した細胞内総グルタチオン(還元型+酸化型)定量により,チタン試料表面の化学構造と酸化ストレスを経時的に評価した.さらに培養骨芽細胞のmRNA発現量をリアルタイムPCRで定量すると同時に,in vitroでチタン試料表面に析出した石灰化物を。Energy Probe Micro Analyzerやレーザーラマン分光法で分析.セルラインで購入できる内皮細胞,マクロファージ,上皮基底細胞をチタン試料表面で培養し,総グルタチオン量を定量.
|