肢体不自由児施設における3歳から18歳の子どもを対象に、障がいや生い立ちを踏まえつつ豊かなセクシュアリティを育むことを目的に、肢体不自由児施設で生活する子どもの実態を明らかにし、「性と生の教育プログラム」の開発に取り組んだ。 平成24年度は、平成23年度に子どもからの聞き取り調査で明らかになった性教育への反応や要望をもとに、プログラムの概要を見直し、施設で新プログラムに取り組んでいる。 研究成果:平成24年8月に、“人間と性”教育研究協議会夏季セミナーにて、見直した教育プログラムの模擬授業を行い、特別支援学校教員、養護教諭、心理士、栄養士、医師、助産師、児童養護施設職員などの多職種から助言等を頂いた。そこでは、肢体不自由児施設で生活する子どもに関わる他職種との連携をより強化していくことの必要性や、セクシュアリティを育む為の基盤となる「障がい告知」「生い立ちの告知」をどのタイミングで、どのように行う必要があるのかなどの議論が生じた。子どもの求めるニーズに沿いつつ、子どもにとって最善のアプローチ方法を今後も検討していく。その為、今後は、施設で生活する子どもの中でも思春期に焦点をあて、障がい受容や生い立ちの整理をどのように行いつつ二次性徴する体へ適応し、自身の性を生きて行くのかを、思春期の時期に施設で生活をしていた成人へのインタビュー調査から明らかにしていく予定である。
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