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2011 年度 実績報告書

インスリンによる血管作動性因子を介した摘出網膜血管の反応性と加齢による影響

研究課題

研究課題/領域番号 23890231
研究機関大阪医科大学

研究代表者

喜田 照代  大阪医科大学, 医学部, 助教 (90610105)

キーワード一酸化窒素 / 高血糖 / インスリン / 網膜血管
研究概要

本研究では、網膜摘出血管を用いて一酸化窒素(NO)産生におけるインスリンに対する反応を検討し、pre-capillaryレベルの網膜血管における高血糖とインスリン、NOおよび網膜循環との関係を明らかにすることを目的としている。
平成23年度は、インスリンによる網膜血管の一酸化窒素(NO)合成を検討した。
tissue-print法にて摘出したpre-capillaryレベルのラット摘出網膜血管を対象とした。インスリン投与群(100nM,5.5mM glucose,n=17)、high glucose群(20mMg glucose, n=5)、high glucose+インスリン投与群(n=5)、対照群(n=7)の4群に分け、共焦点レーザースキャン顕微鏡(LSM 510 META, Carl Zeiss)を用いて、DAFによりNOを蛍光標識しtime-lapse観察した。インスリン投与群では有意に蛍光が増強し(P=0.002,t-test)、high glucose群では蛍光強度は逆に有意に減弱した(P=0.002,t-test)。対照群では有意な変化はみられなかった。インスリン投与群と対照群の間に有意差がみられた(P=0.002, Scheffe)。high glucose+インスリン投与群ではインスリン投与群でみられたような蛍光増強はみられなかった。対照群、high glucose、high glucose+インスリン投与群の問に有意差はみられなかった。インスリンは網膜血管のNOレベルを増加させるが、high glucose培地はその変化を抑制した。以上よりインスリンはNOを介して網膜微小循環に関与していると考えられた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

申請書に記載したように、ラット摘出網膜動脈血管を用いin vitroで検討したインスリンによるNO発生の実際のデータがある程度まとまってきたと思われる。

今後の研究の推進方策

平成23年度の結果より血管内皮レベルでのインスリンによるNO発生および高血糖状態におけるその反応の違いについても明らかになったが、今回用いたのは摘出網膜血管で血管内皮細胞だけでなく血管周皮細胞の影響も含まれるため、当初予定にはなかった血管内皮細胞と周皮細胞を別々に培養して検討することも今後本研究の視野に入れ、論文発表を目標としたい。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文]2012

    • 著者名/発表者名
      Nakaizumi A, Horie T, Kida T, Kurimoto T, Sugiyama T, Ikeda T,Oku H.
    • 雑誌名

      Cell Mol Neurobiol

      巻: VOL.32 ページ: 95-106

    • DOI

      DOI: 10.1007/s10571-011-9739-5

  • [学会発表] High glucose inhibits insulin-induced nitric oxide production in microvessels of rat retina2011

    • 著者名/発表者名
      Kida T, Oku H, Kobayashi T, Ikeda T
    • 学会等名
      Annual Meeting of ARVO (ARVO ; The Association for Research in Vision and Ophthalmology)
    • 発表場所
      フォードローダーデール(フロリダ)、米国
    • 年月日
      2011-05-02

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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