ラット網膜摘出血管を用いて一酸化窒素(NO)産生におけるインスリンに対する反応を検討し、高グルコースとインスリン、NOおよび網膜循環との関係を明らかにすることを目的とした。インスリン投与群、高グルコース群、高グルコース+インスリン投与群、対照群の4群に分け、共焦点レーザースキャン顕微鏡を用いてNOを蛍光標識しtime-lapse観察した。インスリン群では有意に蛍光が増強し、高グルコース群では蛍光強度は逆に有意に減弱した。高グルコース+インスリン投与群ではインスリン投与群でみられたような蛍光増強はみられなかった。4群の間に有意差はみられなかった。インスリンはNOを介して網膜微小循環に関与していると考えられた。
|