研究課題/領域番号 |
23890235
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研究機関 | 兵庫大学 |
研究代表者 |
竹内 美樹 兵庫大学, 健康科学部, 講師 (60611770)
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キーワード | 傾聴ボランティア / 自殺予防 / 燃え尽き / 地域住民 / 地域高齢者 / 不安 / 自己効力感 / 孤立予防 |
研究概要 |
岡山県の玉野市社会福祉協議会と協力し、地域高齢者の自殺予防の視点を備えた、地域住民による「傾聴ボランティア」の養成を行った。活動を始めると、地域住民にとって自殺予防を担うことは荷が重い様子であった。このため、具体的に何が負担かを質問紙と活動記録から明らかにし、「傾聴ボランティア」養成時にどのような教育プログラムが必要か、提案することを目的とする。 これは自殺者数が減少しないわが国において、地域住民が傾聴ボランティアとして地域高齢者の孤立を予防する活動としては有効だと考えるが、ボランティア自身が燃え尽きては活動が広がっていかない。そこで燃え尽きない方策を取り入れた教育プログラムを提案することは意義があると考える。 岡山県玉野市にある、傾聴ボランティアグループ「パレット」に研究協力を依頼し、承諾を得た。傾聴ボランティアグループ「パレット」は会員数約50名(2年め30名、1年め20名)で、2ヶ月ごとに定例会を開催するため、そこへ出席して研究を進めていった。2011年11月、傾聴ボランティアグループ「パレット」の定例会に参加し、研究のお願いをした。このとき倫理的配慮について説明し、同意を得た。質問紙「STAI状態・特性不安検査(日本版)」、「自己効力感尺度」およびアンケート「傾聴ボランティアで負担に感じること」を実施した。 2012年3月の定例会で、11月に要望が出た認知症の講義を行い、質問紙「STAI状態・特性不安検査(日本版)」および「自己効力感尺度」の2回め調査を行った。11月のアンケート調査の内容で確認したいことを、ICレコーダーを持参し、インタビューを行った。負担と感じる内容で多かったものは、抑うつ傾向の高齢者への返事の仕方(「死にたいと言われたときにどう答えてよいか」等)と認知症者への対応がわからないというものであった。これからデータの整理と集計を行う。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
第1回めおよび第2回めの質問紙調査は終了した。介入として認知症の講義を行った。またアンケート調査の内容で確認したいものについて、インタビューが終了した。現在データの整理に入っている。
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今後の研究の推進方策 |
第1回めおよび第2回めのアンケート調査の内容およびボランティアの活動記録を分析し、傾聴ボランティアとして活動する上で心的負担となっている内容を明らかにする。 11月に第3回めの質問紙調査を実施し、1年間のボランティア活動における不安および自己効力感の変化を分析する。 以上の結果をもとに、傾聴ボランティアの養成時に必要と思われる教育プログラムを提案する予定である。
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