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2011 年度 実績報告書

フラーレンによる遺伝子導入を用いた変形性関節症の新規治療法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 23890240
研究機関福岡大学

研究代表者

大谷 泰志  福岡大学, 医学部, 助教 (90609504)

キーワードフラーレン / 医療 / 細胞 / 組織 / 滑膜炎細胞 / 抗酸化作用 / 抗炎症作用 / 細胞為害性
研究概要

変形性顎関節症は持続的な負荷により顎関節内に虚血-再潅流現象が起こり、その際に発生するフリーラジカルが直接的、またはサイトカインネットワークを介して関節破壊を引き起こす可能性が示唆されている。一方でナノカーボン素材のフラーレンが近年注目され、化学的、熱的に安定性が高く、フリーラジカルの作用を阻害し抗酸化作用を示すことが知られている。本研究では、in vitroにおける水溶性フラーレンによる抗炎症作用を確認するとともに至適濃度を明らかにすることで、ウサギ抗原誘発顎関節炎の関節腔内に対し水溶性フラーレンを投与し、動物実験モデルにおける、生体での軟骨変性の抑制を組織学的に明らかにすることを目標とする。
本研究期間においてはウサギ膝関節由来滑膜炎細胞をin vitroで培養を行い、細胞を維持し、水溶性フラーレンによる抗炎症作用と、フラーレンの細胞為害性について検討した。抗炎症作用については培養上清を用いて炎症性サイトカインの濃度を測定している。細胞為害性については本期間では、濃度による細胞数の変化を計測している。水溶性プラーレンの濃度は過去の文献を参考に0.1microM、1microM、10microM、40microMでおこない、また高濃度下での問題を観るため、100microM、1000microM以上での実験も必要であると考えた。現在、水溶性フラーレンの培養上清中の炎症性メディエイターは測定中であるが、現在までに確認されたところでは濃度依存的に抑制される傾向が観られている。また、細胞為害性については高濃度下では細胞増殖を抑制する可能性があり、これが細胞為害性のためであるのか、用いた細胞が滑膜炎細胞であるがゆえに発生した現象であるのか追加検討の必要を認めており、他の細胞株での実験を計画している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

本研究機関においては、水溶性フラーレンの至適濃度の確定と、ソノポレーション法を併用した際の効果を目的としていた。しかしフラーレン自体の物性の確認と、培養細胞への影響の観察と培養上清の解析に大幅な時間を要したため研究の進行は遅延している。

今後の研究の推進方策

第一に取り組むことは、今回用いている水溶性フラーレンの細胞為害性を確認することであると考えている。生体を傷害する物質では治療法の開発は行えないためである。そこで、正常滑膜細胞に対する水溶性フラーレンの影響を確認する必要がある。この研究はin vitroで行う。今回用いた水溶性フラーレン特有の反応である可能性もあり、別種のフラーレンについても検討したい。細胞為害性が確認されなかった場合には、本来の研究計画に戻ることができる。計画に対する遅れが存在するが、継続的な研究が絶対に必要と考えている。

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公開日: 2013-06-26  

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