研究課題/領域番号 |
23H00010
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研究機関 | 福島大学 |
研究代表者 |
菊地 芳朗 福島大学, 行政政策学類, 教授 (10375347)
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研究分担者 |
藤澤 敦 東北大学, 学術資源研究公開センター, 教授 (00238560)
高瀬 克範 北海道大学, 文学研究院, 教授 (00347254)
太田 圭 東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 助教 (30908520)
鈴木 琢也 北海道博物館, 研究部, 学芸主幹 (40342729)
福永 伸哉 大阪大学, 大学院人文学研究科(人文学専攻、芸術学専攻、日本学専攻), 教授 (50189958)
村上 由美子 京都大学, 総合博物館, 准教授 (50572749)
佐々木 由香 金沢大学, 古代文明・文化資源学研究所, 特任准教授 (70642057)
臼杵 勲 札幌学院大学, 人文学部, 教授 (80211770)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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キーワード | 日本列島北部 / 古墳文化 / 農耕展開 / 考古科学分析 / 広域比較 / 青苗遺跡 / 前田川大塚古墳 |
研究実績の概要 |
本研究は、古墳時代及びその併行期の北日本において、古墳文化要素と古墳築造の北限が一致しない現象に注目して、そのずれが生じた原因や背景を、北日本の古墳文化要素と古墳築造の資料分析・生業実態の考古科学分析・類似現象を他地域や世界に求める比較分析によって解明し、古墳築造の歴史的意義を提示するとともに、古墳文化北縁域の歴史的位置を明確にするものである。 本研究の具体的目的は次の3点である。目的①:古墳が東北南部を北限とした一方で古墳文化要素が東北北部・北海道島まで深く浸透した実態と意味を解明する。目的②:当該期の北日本における農耕展開の実態を、土器の種実・穀類圧痕分析等の考古科学的手法により実証する。目的③:①②及び広域・国際比較の総合により、北日本の大型古墳の出現や不在をもたらした文化変化の背景を特定し、北からの視点を生かし国家形成期の日本列島における古墳築造の歴史的・人類史的意義を提示する。 初年度の2023年度は、目的①においては、主に北海道奥尻町青苗遺跡の発掘調査、福島県須賀川市前田川大塚古墳の発掘調査を行い、今後の調査の材料を得た。②においては、秋田県横手市の古墳時代遺跡群出土土器に対する圧痕調査を2度にわたり実施した。③においては、9月にスロベニア・リュブリャナで開催された第3回アジア美術考古学ヨーロッパ協会(EAAA)において本研究に関する研究報告を行い、2月に研究メンバーによるオンライン研究集会を実施し研究成果を共有するとともに次年度以降の活動の方向性等を検討した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2023年度は、代表者・分担者・協力者と研究の進め方や対象についての連絡調整ののち、ただちに具体的作業に着手した。 ①においては、年度前半に北海道奥尻町青苗遺跡の試掘調査し、秋田県横手市大塚遺跡の確認調査のための地元との調整を行った。 ②においては、年度前半に北海道青苗遺跡に対するフローテーション分析および年代測定を実施した。 ③においては、年度内に実施した研究集会において、相互・広域比較に関する研究報告、次年度計画の検討等を行うことにより、成果と課題をメンバーで共有するとともに相互・広域比較に関する議論を行った。また、9月にスロベニア・リュブリャナで開催された第3回アア美術考古学ヨーロッパ協会において、本研究に関する研究報告を行った。
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今後の研究の推進方策 |
2024年2月に代表者・分担者・協力者により実施したオンライン研究集会の内容をふまえ、年度当初からただちに具体的作業に着手する。 上記①においては、年度前半に北海道奥尻町青苗遺跡の発掘調査、後半に秋田県横手市大塚遺跡の確認調査を実施するとともに、遺跡遺物班メンバーは自身の担当遺跡・遺物に対する調査分析を適宜進める。 上記②においては、年度前半に北海道青苗遺跡に対するフローテーション分析および出土土器に対する種実・穀類圧痕調査を実施するとともに、農耕展開調査班メンバーは自身の担当遺物等に対する調査分析を適宜進める。また、これらで検出したレプリカの同定作業およびSEM撮影を外部委託する。 上記③においては、年度中に2回実施する研究集会において、相互・広域比較に関する研究報告、次年度計画の検討等を行うことにより、成果と課題をメンバーで共有するとともに相互・広域比較に関する議論を行う。また、年度後半に北欧の遺跡・博物館・研究施設を対象とする資料調査を行い、青銅器時代~鉄器時代におけるモノの動きと文化変化に関する最新の調査研究状況を調査する。
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