研究課題
基盤研究(A)
近年、モンゴル国で発見が相次いでいる初期遊牧国家匈奴の囲壁施設(土城)・生産遺跡は、従来の遊牧国家観に大きな修正を迫るものとなっている。本研究では、モンゴル国内のオルホン川流域を中心とした囲壁施設・生産遺跡を取り上げ、それらの調査と遺構・遺物の分析から時期、主たる機能、操業形態、初期遊牧国家の経営システムの確立と継承について考察する。
遊牧国家の原型とされる「匈奴」の国家経営モデルを考察するという目的のため、モンゴル国内で近年発見されている囲壁施設と生産遺跡との関係性を考古学的調査成果によって検証する独創性を有する研究である。考古学的研究成果に基づく具体的な物証から遊牧国家経営における生産・流通や交易の実態が明らかにされることが期待できる。