研究課題
基盤研究(A)
本研究は、ビジネス環境変化における、多角化企業の動的な事業ポートフォリオ転換のメカニズムとそれが企業価値に与える関係に注目し、戦略的意思決定、経営基盤、対外関係におけるトレードオフ関係の観点から分析し、理論的枠組みを構築することを目的とする。大規模データベース構築による実証的研究、企業の歴史的分析・定性的研究の組み合わせにより研究を行う。
事業ポートフォリオ転換の困難さと企業価値の毀損という、日本企業が抱える課題に対してその機序を明らかにし解決に導こうとする点で社会的意義が認められる。戦略的定石といった抽象論に留まることなく、焦点となる関係について戦略的意思決定、経営基盤、対外関係水準でのトレードオフ関係として定量化し、かつ理論構築を目指すという点で評価される。企業ケース作成や大規模データベースの構築の有用性についても期待される。