カイラル物質が誘導する非局所スピン偏極の解明と基礎学理の構築

2023 年度 審査結果の所見

• 研究課題/領域番号: 23H00091
• 研究種目: 基盤研究(A)
• 配分区分: 補助金
• 応募区分: 一般
• 審査区分: 中区分13:物性物理学およびその関連分野
• 研究機関: 大阪公立大学
• 研究代表者: 戸川 欣彦 大阪公立大学, 大学院工学研究科, 教授 (00415241)
• 研究分担者: 楠瀬 博明 明治大学, 理工学部, 専任教授 (00292201) ; 山本 浩史 分子科学研究所, 協奏分子システム研究センター, 教授 (30306534) ; 岸根 順一郎 放送大学, 教養学部, 教授 (80290906)
• 研究期間 (年度): 2023-04-01 – 2027-03-31

研究の概要

応募者らは、「カイラル物質が生み出す非局所スピン偏極」という革新的なスピン現象を発見した。これは、カイラル物質の一片に電流や熱流を流すと遠く離れた他片においても電子スピンが揃う現象である。本研究は、円偏波特性をもつ偏極外場（光やマイクロ波）により構造揺らぎを励起するだけでなく、制御も行い、カイラル物質が生み出すスピン偏極の全容解明を目指すものである。

学術的意義、期待される成果

「カイラル物質が生み出す非局所スピン偏極」は、有機分子・無機結晶、金属・絶縁体などの幅広いカイラル物質で発現し、学術的に意義が高く波及効果があるユニークな現象である。材料開発など応用面での発展の可能性も期待できるタイムリーな研究である。