研究課題
基盤研究(A)
固体中のフォノンが散逸されず相互作用し合いながらあたかも流体のように振る舞う「フォノン流体」は物性物理学における未開拓の研究対象である。本研究では、歪み、圧力、磁場などを制御した低温実験を通して、フォノン流体が発現する物理的要因、フォノン流体が生み出す新しい物理現象を明らかにし、将来的には創発フォノン物性の開拓を目指す。
フォノンという物性物理学の最も基本的な対象が、集団としてこれまで知られていなかった物性を発現するということ自体が基礎物理学として興味深く、その究明には基礎研究として高い意義がある。さらに、応募者はフォノン流体系が極めて高い熱伝導率を持つことなども発見しており、本研究が新たな熱伝導制御の基盤技術の創出に繋がる可能性も期待できる。