研究課題
基盤研究(A)
超冷中性子が重力によって形成する量子束縛系を用いて、等価原理を微視的なレベルで検証することを目標としている。束縛状態の波動関数の示す空間的な変調構造と時間的な振動現象とを計測することで、慣性質量と重力質量の比を高精度で決定する。慣性質量と重力質量の等価性を確認し、微視的スケールでの重力の等価原理の検証の第一歩とする。
物理学における極めて根源的なテーマであり、学術的に意義が高く、他分野への波及効果も大きいと期待できる。また、その検証の具体的な方法は非常に独自性の高い手法を用いるもので、創造性にも富んでいる。最近、「重力の量子性の検証」について注目がされているが、本研究はそのような「微視的なレベルでの重力効果」に対する相補的なアプローチであり、新分野を牽引するものであると評価できる。