研究課題
基盤研究(A)
本研究では、不安定核(RI)の核反応研究に革新をもたらす汎用型の高純度RI静止標的の開発と、その実装によりRIの光吸収断面積測定を可能にする新手法を確立する。光吸収断面積は原子核の電磁場に対する最も基本的な物理量であり、精密で定量的な測定が必要とされる。京都大学化学研究所の電子蓄積リングに実装し、電子の超前方非弾性散乱という純粋な電磁相互作用により、巨大双極子共鳴領域で光吸収断面積の精密測定を行う。
中性子過剰のRI核種における光核反応測定の高精度化という、困難な課題を独自のアイディアと蓄積した技術によって克服するもので、意義、独自性、創造性が高い。高純度RI静止標的の実装は順運動学による精密なRI核反応研究を可能にし、核構造や宇宙核反応などの重要課題に、敏感な量として精密で定量的な議論に耐える測定を実現することが期待できる。