研究課題
基盤研究(A)
遠方宇宙で明るい銀河が予想より多すぎる問題が観測的に指摘され、JWSTによる最近の観測で更にその傾向が顕著に見えてきている。この問題を解決するため、本研究では、赤方偏移と金属量の両方に依存する新しい恒星初期質量関数のモデルを導入した新しい銀河成長モデルを構築して観測と比較し、また、JWSTを用いて新たな遠方銀河観測を実施してこのモデルを検証する。
初期宇宙における銀河とブラックホールの成長を解明することは、天文学分野における大きな目標の一つであり、新たな理論と強力な観測の組み合わせでこれに迫ろうとする本研究の科学的意義は高い。また、明るい銀河の個数超過の原因として恒星初期質量関数に着目するアプローチは具体的かつ明確であり、その検証により銀河成長の研究にブレイクスルーをもたらす可能性が期待できる。