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2023 年度 実績報告書

長周期地震動を受ける超高層建築溶接部の脆性破壊発生条件の解明と防止策の策定

研究課題

研究課題/領域番号 23H00202
研究機関東京大学

研究代表者

山田 哲  東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 教授 (60230455)

研究分担者 伊山 潤  東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 准教授 (30282495)
研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2027-03-31
キーワード建築構造 / 鉄骨構造 / 実験 / 有限要素解析
研究実績の概要

本研究では、社会的・経済的な機能が集約されている超高層建築を支える最も重要な構造部材である柱において、内ダイアフラムを接合するのに使われているエレクトロスラグ溶接を対象に、これまでの研究で扱われてこなかった弾塑性境界領域での局所的な塑性化や亀裂の発生・進展および脆性破壊に転化する条件についての研究を行う。初年度である2023年度は、長周期長継続時間の地震動により、柱梁接合部が受ける局所的な繰り返し応力および変形について、地震時における接合部の状態を骨組レベルの地震応答解析と、接合部を取り出した有限要素解析に取り組むとともに、2024年度から実施する精度の良い小型要素実験に必要不可欠な装置である、変位制御型機械式万能試験機を導入した。合わせて、小型要素試験における載荷・計測方法を確立すべく実施する試行試験の実大溶接ブロックと、それから切り出した小型要素試験体および材料試験用の試験片を製作した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

2023年度の予算の大部分を用いて、必要不可欠な装置である変位制御型機械式万能試験機を導入した。入札から設置まで時間を要したが、当初の計画では織り込み済みである。また、試行試験を行うための実大溶接ブロックの製作およびそこから切り出す小型要素試験体および材料試験用の試験片を製作についても、試験機の導入と合わせたスケジュールで行っており、計画通り進展している。並行して行う解析についても予定通り進捗している。

今後の研究の推進方策

2024年度からは、当初の計画通り、接合部から切り出した小型試験体に対して、接合部における局所的な応力・変形状態を踏まえた精度の高い載荷実験を行い、応力集中箇所からの亀裂の進展・脆性破壊への転化に関するデータを得る。靱性を支配するパラメータである試験温度についても、制御可能な範囲でパラメータとする。合わせて、溶接部(溶着金属、熱影響部)の材料試験を行うとともに、材料特性を反映して小型試験体の有限要素解析を行い、実験結果と比較・検討する 。実験結果と解析結果の比較検討の中で、制御方法などを見直した実験に戻ることで、亀裂進展・破壊条件の予測精度の向上を図る。
研究遂行上の問題点としては、予算が申請額から削られたことと、材料費をはじめとする物価の高騰により、元々の計画にあった複合応力下での実験の実施が困難となったこと、合わせて材料パラメータについても絞らざるを得ない可能性があることが挙げられるが、可能な限り多くの条件での実験を実施していく予定である。

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公開日: 2024-12-25  

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