研究課題
基盤研究(A)
近赤外光領域のフェムト秒レーザーパルス内における電場の相対位相(CEP)を制御し、その近赤外光パルス、中赤外光パルス、テラヘルツ光パルスをSTMと組み合わせた時間分解STM技術の確立を目指す。TMDCとそのモアレ構造体、フタロシアニンなどのπ共役系を対象に、電場の位相に対して敏感と考えられる光誘起超高速現象を明らかにする。
光誘起現象のダイナミクスに関する局所情報を実験的にとらえることは一般的には極めて難しい。応募者らは、これまでの時間分解STMの研究により、光誘起現象の時間分解・空間分解観測の手法を確立している。本研究は、そこに電場の位相制御技術を加えるものである。このようなSTM技術の高度化の結果として、光誘起現象の素過程をあらわにする極限的な計測技術の実現が期待できる。