今後の研究の推進方策 |
今後は、3種類の金クラスター触媒に対して、下記の方策に従って研究を推進する。 高分子保護金クラスター触媒:PVPで保護された魔法数金クラスターの特異的な安定性の起源を解明するために、これらをマトリックス支援レーザー脱離イオン化によって負イオンとして質量分析器に導入し、気相光電子分光によって電子構造を調べる。さらに、より大きな金クラスターの質量分析を可能とするマトリックスの開発に取り組む。 配位子保護金クラスター触媒:部分的にアルキニル配位子が脱離した配位子保護金クラスターの合成に成功したので、単結晶X回折による構造決定及び露出サイトを利用した選択的な触媒作用の探索をおこなう。理論計算も用いて、活性サイトでの反応機構や選択性の発現機構を明らかにする。 担持金クラスター触媒:配位子保護合金クラスターMAu12(dppe)5Cl2 (M = Au, Pd, Rh, Pt, Ir)を前駆体としてMAu12触媒の構築に成功したので、触媒反応における単原子ドープ効果の解明を進める。さらに、層状担体へのインターカレーションや金属有機構造体に取り込むことで堅牢性を向上させ、過酷な条件での触媒反応への適用範囲の拡張に取り組む。
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