研究課題
基盤研究(A)
本研究は、新しいキラル触媒系の論理的設計に基づき、高難度プロセスの1つである遠隔位の官能基変換反応開発とその立体制御を目指すものである。具体的には、2つの金属間の協働機能を鍵とする2核コバルト触媒・ヘテロ2核シッフ塩基触媒・キラル外輪型2核ルテニウム触媒の3系統を設計し、アミドγ位など遠隔位のC(sp3)-H結合の不斉C-H官能基化反応の開発を実現する。
本研究は、従来型の強い配向基を利用した近接位官能基化とは異なり、遠隔位の官能基化と立体制御を同時に可能にするキラル触媒の創製を目的としている。学術的には未熟である遠隔位不斉C-H結合活性化に挑戦する研究である。複数個の金属触媒が協働作用することで単核の触媒では不可能な反応制御を現実のものとできれば、その成果は有機合成化学の分野で大きな技術革新をもたらすことが期待できる。