研究課題
基盤研究(A)
本研究は、シナプスにおける情報伝達で重要な役割を担う神経細胞膜のナノドメインに着目し、その形成・動態を制御するメカニズムと関連した病態の解明を目的としている。応募者らがこれまでに明らかにしたナノドメイン構成タンパク質について、パルミトイル化修飾を介した局在制御、タンパク質複合体のin situ構造解析、自己免疫抗体を利用した病態モデルマウスの作出と病態解析などを行う。
神経細胞間の効率的な情報伝達を保障するナノドメインの分子実体と、その形成・動態を制御するメカニズムの理解は生物学的に極めて重要な意義を持つ。さらに、ナノドメインの構造・機能の異常が引き起こす病態が分子レベルで明らかになれば、様々な神経関連疾患の発症機構の理解や診断・治療への応用など、医学、薬学をはじめとする幅広い研究分野への波及効果が期待される。