研究課題/領域番号 |
23H00437
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
村上 伸也 大阪大学, 大学院歯学研究科, 教授 (70239490)
|
研究分担者 |
岩山 智明 大阪大学, 大学院歯学研究科, 助教 (80757865)
藤原 千春 大阪大学, 大学院歯学研究科, 助教 (00755358)
竹立 匡秀 大阪大学, 歯学部附属病院, 講師 (60452447)
|
研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
|
キーワード | セメント芽細胞 / 歯根膜 / 歯周組織再生療法 / 低フォスファターゼ症 / 侵襲性歯周炎 |
研究実績の概要 |
本研究では、歯根膜における細胞分化の系譜を詳細に解析すると共に、我々がこれまでに同定したセメント芽細胞マーカーSparcl1遺伝子の発現制御機構に焦点をあて、セメント芽細胞特異的な分化制御の解明に挑む。さらに、歯周組織再生療法の高機能化、低フォスファターゼ症の歯周組織表現型に関する理解の深化、侵襲性歯周炎の疾患関連候補遺伝子とセメント芽細胞分化関連遺伝子との関連性解明へと繋げることを目的としている。このために①セメント芽細胞の分化制御機構の解明と誘導化合物同定による再生誘導、②歯限局型低フォスファターゼ症(HPP)患者に対する治療法開発に向けた検討、③セメント芽細胞分化に関連する制御遺伝子のSNP解析、の3つの研究を遂行する。初年度は主に以下の成果を得た。 ①Sparcl1のC末端に蛍光タンパク質およびHaloTagを融合タンパク質として発現するよう、内在性Sparcl1遺伝子にノックインした培養マウス歯根膜細胞のマウス歯根膜細胞を作製し、同細胞をイメージング解析することにより、Sparclの動態を解析した結果、石灰化誘導培地にて培養することで細胞外へのSparcl1分泌が増加することが明らかとなった。 ②健常者由来およびHPP患者由来の歯根膜細胞を樹立し、患者由来細胞ではアルカリフォスファターゼ活性が低下し、石灰化誘導条件においても、アリザリン染色陽性の石灰化ノジュール形成を認めなかった。 ③侵襲性歯周炎患者のゲノムDNAを抽出し、シーケンス解析を行い、日本人侵襲性歯周炎患者のデータベースを用いたゲノムワイド関連解析(GWAS) 解析を拡充した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
Sparcl1の発現制御機構の解析、HPP患者由来細胞の樹立、GWAS解析の拡充が概ね計画通り進んでいる。
|
今後の研究の推進方策 |
予定通り、樹立したSparcl1発現細胞およびHPP患者由来細胞を用いた解析、セメント芽細胞分化に関与するSNP同定と機能解析を進める。
|