研究課題/領域番号 |
23H00464
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研究機関 | 埼玉大学 |
研究代表者 |
安積 卓也 埼玉大学, 理工学研究科, 教授 (40582036)
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研究分担者 |
新熊 亮一 芝浦工業大学, 工学部, 教授 (70362580)
西尾 理志 東京工業大学, 工学院, 准教授 (80711522)
原 祐子 東京工業大学, 工学院, 准教授 (20640999)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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キーワード | 分散機械学習 / Split Computing / エッジデバイス / リアルタイム機械学習推論 / コンピューティング基盤 |
研究実績の概要 |
近年注目されているスプリットコンピューティング(SC)技術に関する研究の初年度の進行状況について述べる。SC技術は、単一の機械学習モデルを複数デバイス間で負荷分散して推論する手法である。本研究の目的は、従来の2段階処理を3段階に拡張し、センサデバイス、高機能エッジデバイス(小型AIサーバ)、中央サーバという形で推論処理を分散することである。これにより、リアルタイム推論の実現とデジタルツイン環境でのデータ統合が可能となることを目指す。 基礎理論の確立とコンピューティング基盤及びPoC(Proof of Concept)基盤の構築を目指し、初年度の研究活動が進められた。具体的には、データ分割技術の理論検討と学習モデルに基づく重要度推定の研究が行われた。これにより、各LiDARデータのデータ量が効率的に削減され、通信コストを最小限に抑えつつ、リアルタイムでの高精度な物体検出と分類が可能となる。さらに、NAS(Neural Architecture Search)を用いたコンピューティング基盤の構築に着手し、エッジデバイス上でのデータ処理の効率化が図られた。この技術は、エッジデバイスでリアルタイムに3次元情報を生成し、車両や歩行者の検出精度を維持しながら通信コストを削減するための基盤となる。さらに、複数のLiDARインフラセンサシミュレーション環境が構築され、PoCの基盤となるデジタルツイン環境を実現した。これにより、提案された技術の効果が評価され、実際のシステムに近い条件でのテストが可能となった。これは、システム全体の性能検証に不可欠な要素である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
基礎理論とコンピューティング基盤・PoC(Proof of Concept:概念実証)基盤の構築が予定通り進められている。
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今後の研究の推進方策 |
初年度の研究活動を通じて、データ通信の効率化と処理性能の向上を図るため、データ分割技術と重要度推定技術が融合され、次年度以降の技術統合の準備が進められている。これにより、エッジコンピューティング基盤の最適化がさらに推進される予定である。
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