研究課題
基盤研究(A)
本研究は、暗号技術の安全性の尺度として用いられるビットセキュリティの概念が、同じ尺度のビットセキュリティを満たす2つの技術を組み合わせてもその尺度を持つ理論的な保証がないという課題に対し、情報理論・計算理論・暗号理論を融合させることで暗号技術のセキュリティ強度を定量評価する理論を構築し、暗号技術を様々に組み合わせたときのセキュリティ強度を評価することを可能にする。
計算量に基づく従来のビットセキュリティに情報理論的な観点を加え、それを踏まえて複数の暗号技術の組み合わせに対してセキュリティ強度の定量評価が可能となる。情報理論的な観点と計算量的な観点とで、暗号技術の安全性の定量評価のしやすさと実現するためのコストがトレードオフの関係にあることから、二つのタイプの暗号技術の併用が想定される近未来の情報システムにおいてセキュリティに理論保証を与えられる。