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2023 年度 実績報告書

事前知識制約及び弱学習を用いた一般化状態空間モデルの深層・機械学習手法開発

研究課題

研究課題/領域番号 23H00471
研究機関大阪大学

研究代表者

鷲尾 隆  大阪大学, 産業科学研究所, 教授 (00192815)

研究分担者 永井 健治  大阪大学, 産業科学研究所, 教授 (20311350)
山崎 啓介  国立研究開発法人産業技術総合研究所, 情報・人間工学領域, 研究チーム長 (60376936)
研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
キーワード状態空間モデル / 機械学習 / 深層学習 / 状態モデル / 観測モデル / 損失関数 / リスク関数
研究実績の概要

現状の深層・機械学習は、対象の観測データから対象系と観測系を切り分けたモデル学習を行うことが難く、対象系のメカニズムや観測系の影響を適切に理解できない事が多い。本研究では、対象の時間発展を表す状態モデルとその状態の観測モデルからなる一般化状態空間モデルや、観測結果から状態の逆推定を行う状態モデル、観測モデル各々の復元モデルを切り分けて学習可能な、深層・機械学習の一般的原理・技術を開発し、生体観測・人流解析など実問題で有効性を検証することを目的にしている。
今年度は研究項目「(A)幅広い深層・機械学習モデルへの状態(復元)及び観測(復元)モデルの組込み原理の確立」において、(i)状態モデルや観測モデルの性質に関する事前知識を導入し、潜在状態変数と両モデルを切り分けて教師有り・教師無し学習する原理、(ⅱ)対象系や観測系の何れかの条件が異なる複数種データから各系の違いを認識して、潜在状態変数と両モデルを切り分けて弱教師有り学習する原理を開発した。また、研究項目「(B)幅広い学習目的関数(損失関数やリスク関数)の設計原理の確立」において、対象の観測結果と外部入力情報から状態空間モデルを学習するための目的関数の設計原理を開発した。また、これらの計算機実装アルゴリズムの検討、有効性検証を行うための実問題の検討も実施した。
研究項目(A)では、計測系やセンサーが有する性質から観測モデルに関する制約を導き、それに基づいて状態モデルと観測モデルを学習する方法、およびそれら各々の復元モデルを学習する方法を得た。研究項目(B)では観測モデルの制約を損失関数に反映して高精度なモデル学習を行う方法を得た。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究の計画は、(A)幅広い深層・機械学習モデルへの状態(復元)及び観測(復元)モデルの組込み原理の確立、(B)幅広い学習目的関数(損失関数やリスク関数)の設計原理の確立、(C)学習を行うための計算機実装アルゴリズムの開発、(D)実問題への適用による有効性検証の4つの研究項目から成る。このうち、(A)と(B)は初年度と2年度に取り組み、(C)と(D)は初年度の後半から実施準備の検討を開始する計画であった。
初年度である今年度は、実際にこの研究計画に沿い(A)と(B)について研究を実施し、予定通りに一定の開発作業を進めた。また、(C)と(D)についても必要なデータを入手するための実験設計など、実施準備の検討を予定通り実施している。(A)と(B)が本研究の理論的な核心部分であり、今年度は主にその中の(A)の「(i)状態モデルや観測モデルの性質に関する事前知識を導入し、潜在状態変数と両モデルを切り分けて教師有り・教師無し学習する原理」について研究を実施し、(B)についても(A)の成果に対応する部分について研究を実施し、各々成果を得た。
研究実施内容と研究成果の両面から、概ね当初の研究計画通りに進捗していると考える。

今後の研究の推進方策

本研究の計画は、(A)幅広い深層・機械学習モデルへの状態(復元)及び観測(復元)モデルの組込み原理の確立、(B)幅広い学習目的関数(損失関数やリスク関数)の設計原理の確立、(C)学習を行うための計算機実装アルゴリズムの開発、(D)実問題への適用による有効性検証の4つの研究項目から成る。このうち、(A)と(B)は初年度と2年度に取り組み、(C)と(D)は初年度の後半から3年目の最終年度にかけて実施準する計画である。
このうち、初年度で(A)と(B)では「(i)状態モデルや観測モデルの性質に関する事前知識を導入し、潜在状態変数と両モデルを切り分けて教師有り・教師無し学習する原理」について、観測モデルの事前知識導入に関する成果を得た。これを踏まえて、2年度はさらに状態モデルの事前知識導入に関し取り組む予定である。また、(A)(B)共に、(ⅱ)対象系や観測系の何れかの条件が異なる複数種データから各系の違いを認識して、潜在状態変数と両モデルを切り分けて弱学習する原理、さらに(ⅲ)これらのハイブリッド原理についても、2年度に取り組む予定である。
また、(C)において上記(A)と(B)の成果をプログラム実装する作業に取り組む。さらに(D)について有効性検証に必要なデータを収集し、実装プログラムを適用して性能評価を進める予定である。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2023

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 2件、 招待講演 1件)

  • [雑誌論文] Bayesian Optimization-assisted Screening to Identify Improved Reaction Conditions for Spiro-dithiolane Synthesis2023

    • 著者名/発表者名
      Masaru Kondo, H. D. P. Wathsala, Kazunori Ishikawa, Daisuke Yamashita, Takeshi Miyazaki, Yoji Ohno, Hiroaki Sasai, Takashi Washio, Shinobu Takizawa
    • 雑誌名

      Molecules

      巻: 28(13) ページ: 5180

    • DOI

      10.3390/molecules28135180

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Green-light wavelength-selective organic solar cells for agrivoltaics: dependence of wavelength on photosynthetic rate2023

    • 著者名/発表者名
      Seihou Jinnai, Naoto Shimohara, Kazunori Ishikawa, Kento Hama, Yohei Iimuro, Takashi Washio, Yasuyuki Watanabe, Yutaka Ie
    • 雑誌名

      Faraday Discussions

      巻: 250 ページ: -

    • DOI

      10.1039/d3fd00141e

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Accelerator tuning method using Autoencoder and Bayesian Optimization2023

    • 著者名/発表者名
      Yasuyuki Morita, Takashi Washio, Yuta Nakashima
    • 雑誌名

      Nuclear Instruments and Methods in Physics Research Section A: Accelerators, Spectrometers, Detectors and Associated Equipment

      巻: 1057 ページ: 168730

    • DOI

      10.1016/j.nima.2023.168730

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] High-precision rapid testing of omicron SARS-CoV-2 variants in clinical samples using AI-nanopore2023

    • 著者名/発表者名
      Kaoru Murakami, Shimpei I. Kubota, Kumiko Tanaka, ... , Takashi Washio, Takasuke Fukuhara, Takanori Teshima, Masateru Taniguchi and Masaaki Murakami
    • 雑誌名

      Lab on a Chip, Royal Society of Chemistry

      巻: 22 ページ: -

    • DOI

      10.1039/D3LC00572K

    • 査読あり
  • [学会発表] Bayesian Optimization-assisted Multi-parameter Screening: Towards a Hundred-Gram Scale Process2023

    • 著者名/発表者名
      Shinobu Takizawa, Masaru Kondo, H. D. P. Wathsala, Mohamed S. H. Salem, Daisuke Yamashita, Takeshi Miyazaki, Yoji Ohno, Hiroaki Sasai, Takashi Washio
    • 学会等名
      日本プロセス化学会2023サマーシンポジウム
  • [学会発表] ベイズ最適化とオートエンコーダを用いた最適化手法の開発2023

    • 著者名/発表者名
      森田 泰之,福田 光宏,依田 哲彦,中島 悠太,鷲尾 隆
    • 学会等名
      第20回日本加速器学会
  • [学会発表] Measurement Informatics: Interdisciplinary innovation of measurement and information science2023

    • 著者名/発表者名
      Takashi Washio
    • 学会等名
      PAKDD2023: The 27th Pacific-Asia Conference on Knowledge Discovery and Data Mining
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] Bayesian Optimization (BO)-driven Screening of Multiple Parameters: Towards Efficient Electrochemical and Flow Synthesis2023

    • 著者名/発表者名
      Mohamed S. H. Salem, Masaru Kondo, H. D. P. Wathsala, Akimasa Sugizaki, Md. Imrul Khalid, Hiroaki Sasai, Takashi Washio, Shinobu Takizawa
    • 学会等名
      The 15th International Kyoto Conference on New Aspects of Organic Chemistry
    • 国際学会

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公開日: 2024-12-25  

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