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2023 年度 実績報告書

グローカル・シチズンシップ教育の試行的実践

研究課題

研究課題/領域番号 23H05049
研究機関仙台市立上杉山中学校

研究代表者

若生 深雪  仙台市立上杉山中学校, 仙台市立中学校英語教員

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2024-03-31
キーワードグローカル・シティズンシップ / 中学生 / 民主的な文化への能力参照枠(RFCDC)
研究実績の概要

本研究は、中学校の教育課程にグローカル・シチズンシップの概念を取り入れ、中学生に地球市民としての自覚を持たせることを目的としている。そのため、地域社会と世界の両視点から物事を考え、積極的に社会に参画する素地を養うことを目指した。特に、欧州の学校教育で広く採用され、市民性育成の指針となっている「民主的な文化への能力参照枠(RFCDC)」に着目している。
現在、RFCDC参照枠を日本の中学生に援用して授業に導入した先行研究は現時点では見当たらない。そこで、グローバル・シティズンシップ教育の専門家と協力し、中学生向けのRFCDC参照枠の日本語訳に取り組んだ。その後、以下のような授業を実施した。英語の授業では、イラン、スロバキア、ジョージア、台湾の若者と、Eメールや動画の交換、オンライン交流を行った。公民の授業では、学習した内容について議論の時間を設け、死刑制度、同性婚、出生前DNA判断、臓器提供意思カードなどの現代的な課題について討論した。2教科の特性を生かし実社会と結びつける実践的な授業を展開した。
授業の効果は、RFCDC参照枠についての事前と事後のアンケート、および公民の議論に関するアンケートから分析した。その結果、以下のような効果が確認された。生徒は、海外の若者との交流や現代的な課題についての議論が将来に役立つと考えていた。また、今回の授業に関わるRFCDC参照枠の項目について、事前と事後の比較においてポイントの上昇率が他の項目よりも高かった。
これらの結果は、RFCDC参照枠に基づいた授業が生徒の認知的・社会的能力の向上に寄与することを示している。また、異文化交流や議論を通じて、生徒たちは自分たちの将来に対する視野を広げることができた。本研究は、中学校の教育課程にグローカル・シチズンシップの概念を取り入れることの有効性を示している。今後も、実践と研究を進める必要がある。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (2件) (うちオープンアクセス 2件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] 中学生の世界を広げる COIL 型教育の展望2024

    • 著者名/発表者名
      若生 深雪
    • 雑誌名

      国際協働学習iEARNレポート

      巻: 9 ページ: 12-15

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 我が国におけるグローバル・シティズンシップ教育 ―その現状と今後の展望―2023

    • 著者名/発表者名
      若生 深雪
    • 雑誌名

      東北大学大学院教育学研究科研究年報

      巻: 72 ページ: 123-144

    • オープンアクセス
  • [学会発表] 中学3年間の英語の授業を通しての成長 ―シチズンシップに着目してー2023

    • 著者名/発表者名
      若生 深雪
    • 学会等名
      全国英語教育学会第48回香川研究大会
  • [学会発表] Exploring Japanese adolescents’awareness of intercultural citizenship in studying SDGs2023

    • 著者名/発表者名
      若生 深雪
    • 学会等名
      CULTNET Annual Meeting
  • [学会発表] 「GOMI on EARTH プロジェクト 知力と行動力を育む実践」2023

    • 著者名/発表者名
      若生 深雪
    • 学会等名
      ジェイアーン20周年記念第1回国際協働学習シンポジウム

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公開日: 2024-12-25  

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