「個別最適な学び」と「協働的な学び」の一体的な充実が指摘されている中で,特に後者に焦点をあて「学力差に対応した一斉授業」について数学教育から検討した。多様な他者の価値観を尊重し他者と協働しながら問題を解決する力を育てるには,一斉授業が重要な意味をもつことが改めて確認された。ここでは教室を社会の縮図と捉え,生徒個々がその一員として意見を述べ合う文化の形成が重要であると考えられる。 授業で作成した「ルーブリック」は,生徒の考え方を検討する上で有効であり,特に若手教員に対する教師教育的な面において社会的意義を見出すことができた。これは,2つの「学び」の一体的な充実の具現化につながると考えられる。
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