統計教育では,統計的探究プロセス(問題,計画,データ,分析,結論)を経て問題解決を行うことが目指されている.統計的手法の獲得だけでなく,統計的探究プロセスの各相を遂行する力の育成をしていく必要があるが,「グループ比較についての推論」に関する研究を進める中で,「計画」の相で収集するデータについて考察する機会は,中学3年生の「標本調査」単元のみしか位置付けられていない点が不十分に感じた.標本調査の学習では,標本(データ)が母集団の縮図となっているかが議論の対象となり,収集するデータそのものについて議論する機会が少ない.データについて考える機会を中学3年生以前から段階的に指導していく必要がある.
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