抗VEGF剤を使用するがん患者の消化管出血予防にはPPIが第一選択薬だが、PPIはがん細胞でVEGF発現を上昇させ抗VEGF剤の効果を減弱する可能性がある。一方、ボノプラザンはVEGF発現への影響が異なる可能性があり、本研究ではPPIと比較した。様々ながん細胞株でPPIはVEGF mRNAとタンパク分泌を上昇させたが、ボノプラザンは上昇させなかった。ERαに対する結合親和性もボノプラザンの方が低かった。PPIによるVEGF発現の上昇はERα阻害により抑制された。本研究の結果、PPIはERαを介してVEGF発現を上昇させるが、ボノプラザンは上昇させないことが明らかになった。
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