研究実績の概要 |
本研究ではレンバチニブの体内動態解析のために、まずは高速液体クロマトグラフィーおよび質量分析計を用いた迅速血中濃度測定系の確立を行った。レンバチニブの重水素ラベル体を内標準物質として、0.1%ギ酸含有のtert-butyl methyl ether:2-propanol=7:3溶液を用いた液液抽出法により血漿中の薬物の抽出を行った。検量点はLENが投与された患者の血中濃度推移を参考に、2.5ng, 25ng, 250ng, 2500ng/mLの4点とし、重みづけの相関係数=0.9917と良好な直線性が得られた。また、日内変動、および日間変動の変動係数は15%以下であり、LENの血中濃度測定系の確立が完了した。 一方、2023年9月より、岐阜大学医学部附属病院で子宮体癌に対してLENが導入された患者の登録を開始したが、半年で1例しか患者が登録できず、LENの血中濃度と副作用の関係についてまだ明らかにできていない。今後は他施設でも患者のリクルートを行うことで、目標症例数30例を達成できるよう、引き続き症例収集を行うことを計画している。
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